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撮影裏話 - production notes -

企画は市川徹総合プロデューサーのひらめき

2012年2月初旬、渡辺裕之さんと市川徹さんが『桜田門外ノ変』オープンロケセットを訪れた。
2010年に公開された『桜田門外ノ変』では水戸藩士・岡部三十郎を演じた渡辺さんは、市川徹監督「TAKAMINE 桜を咲かせた男」そして「万年筆」と続けざまに映画を制作。

その「万年筆」のノウハウを活かした、"地方発低予算映画"が水戸で撮影できないか、と渡辺さんと話していた。

ロケセットを見学した市川監督は、「すごい!こんな立派なセットで映画が撮れたら、どんなに素晴らしいだろう」と思い、茨城側に打診するとその場でOK。
市川監督はすぐ脚本執筆を依頼。3月にはロケハン、4月に撮影、5月に編集、6月に公開…と、疾風のようなスピードで映画が製作された。
『桜田門外ノ変』は、地方発の映画としては日本映画史上に残る製作プロセスだったが、この『桜田門内の変!?』もまた、企画から公開までの過程は稀に見る製作方法だったと言っていいだろう。

原石を探せ!出演者オーディション

渡辺裕之さんと竹内晶子さんが、「万年筆」に引き続き主演を務めることは決まっていた。
2人以外の出演者は、地元・茨城の方で!との市川監督の意向が伝えられ、オーディションを開催。
5歳から70歳代までの幅広い方にご応募いただいた。

4月8日(日)、1次書類選考を通過した皆さんの2次面接が行われた。面接をした浦上コ・プロデューサーは、「茨城の皆さんは役者としてのレベルが高い。

今回の作品では年齢的に出番がないけれど、他の作品だったら出演していただきたい方がたくさんいる。」と絶賛。市川徹監督は、普段の柔和な笑顔の中から時折り鋭い視線を投げかけ、出演者を決定。

当初、10名ほどの予定だったが、急きょ役を増やしたり、エキストラより1ランク上の演技をつけて、30名ほどの方にご出演いただいた。

特に真央役の綿引瑚恋(わたひきここ)ちゃんは、父親役の渡辺裕之さんと本当のお父さんのように仲良くし、ここぞ!という時には本当に泣いてしまったり、元気な場面ではスキップしたりと、初めての演技とは思えないくらい"名子役"っぷりを発揮してくれた。

渡辺裕之監督誕生!

監督交代!?と言うと、あまりいい話ではないように聞こえる。
しかし、「桜田門内の変!?」では、発展的交代劇であった。
茨城出身の渡辺裕之さんは、脚本執筆の段階で「茨城弁」の使い方にこだわって直しを入れていた。
クランクインしてからは、茨城弁を話す役者さんたちに細かいイントネーションの違いなどを指導していくうちに、撮影シーンの具体的な演出にまで広がっていった。
それを見ていた市川徹監督は、「この作品は、渡辺さんが演出した方がおもしろくなる!」と思い、渡辺さんを監督に推薦、市川氏は総合プロデュースという立場で映画全体を監修する立場になった。

監督になった渡辺さんは、「まだ監督するには早かったかな。」と思ったとのこと。
それは、演出をするのはできるけれど、映画が出来上がった時のことを想像しながら仕事を進めなくてはいけない監督にはなれなかった、ということらしい。しかし撮影現場にいると、脚本にはない渡辺さんのアイディアがたくさん盛り込まれ、作品に深みを持たせたことは間違いない。
新たに「監督」という肩書きを得て、ますます活躍のフィールドが広がる渡辺裕之さんに期待したい。

地元有名人!?も出演


地元の有名人がたくさん出演してくれたのも見どころのひとつ。
格闘家の桜井隆多、映画「花蓮」で三浦貴大の相手役を務めた浦井なお、よしもと茨城県住みます芸人のオスペンギンの2人、TBS「水戸黄門」の演出家・居川靖彦監督率いる劇団水戸黄門らが出演。

茨城で活躍する多くの方が映画に花を添え、盛り上げてくれた。桜井隆多さんは、普段の格闘家のイメージとはかけ離れた役を演じ、笑いを誘ってくれる。浦井なおさんは、茨城に生まれ育ちながら、ちょっと都会に憧れている若者を演じてくれた。オスペンギンは『桜田門外ノ変』ロケセットのイベント出演者として本人役で、劇団水戸黄門は映画の応援団の一員としてそれぞれ出演してくれている。

ボランティア・スタッフ再結集

2010年の冬『桜田門外ノ変』が撮影された。
その際にたくさんのボランティアさん、エキストラさんのご協力いただいたが今回の「桜田門内の変!?」でその皆さんが再結集。
制作をサポートしてくれた。
「桜田門内の変!?」はスタッフも少なかったので、それを補う形で地元ボランティアがさまざまな仕事を担当。
ロケ地選定から交渉、オーディションのセッティング、配役のサポート、小道具や車の手配、スケジュールの管理、撮影現場での安全確保、襲撃シーンの着付け、エキストラの募集から演出、などなど数え上げればきりがないほどの仕事量をこなした。

渡辺裕之さんは『桜田門外ノ変』のボランティア・パワーを知っていたからこそ、この「桜田門内の変!?」は低予算かつ準備期間が短くても「茨城のボランティアならやってくれる」と信頼してくれていた。
その期待に茨城の地元ボランティアは見事に応えたのだ。
この力を今後も継続して、「茨城ならいろいろな作品が撮れる」ことを発信していきたい。

茨城の春、魅力満載

水戸と言えば「梅」。
しかし「桜田門内の変!?」では「桜」にこだわった。
市川徹監督は「さくら、さくら」「TAKAMINE 桜を咲かせた男」でも「桜」を描いている。
水戸を中心に撮影された映画でこんなにも「桜」がスクリーンいっぱいに広がる作品は初めてであろう。

水戸市の千波湖や県庁前、日立市かみね公園や平和通り、など、桜吹雪の舞い散るさわやかな映画となった。

「変!?」なところも楽しんで!

水戸藩開藩四百年を記念した映画『桜田門外ノ変』を制作する過程を描いた作品、ということで物語の設定は2007年ごろ。
しかし、撮影は2012年4月に行われた。
映画の場面をじっくり見ていくと「あれ…!?」と思うところが何箇所かある。

時代考証というと大げさだが、一般的な作品であれば2007年に時代を戻して美術や小道具をそろえて撮影されなければならない。


ところが「桜田門内の変!?」の撮影現場ではさまざまな事情でそうはいかなかった。
2007年ではありえないモノや台詞があちこち散りばめられている。
現実の映画制作の過程をモチーフにしているものの、物語はフィクション。
「この場面でこれって、なんか変~」とツッコミながら、その「変!?」なところも楽しんでいただきたい。